「遺産分割調停」の流れと決着までの期間を紹介

遺産相続では、基本的に相続人同士が話し合って、誰がどの遺産を受け取るかを決めますが、ここで話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所で行われる「遺産分割調停」や「遺産分割審判」の中で決着をつける必要があります。

今回の記事では、この遺産分割調停や遺産分割審判がどのような流れで行われ、結審までにどのくらいの期間が必要なのかを紹介していきます。

調停委員を間にはさみ、合意を目指すのが「遺産分割調停」

遺産分割調停は、「調停委員」を仲介にして、当事者同士で話し合い遺産分割の合意を目指す方法です。家庭裁判所に遺産分割に関わる案件が持ち込まれた際、まず初めにこの方法が採用されます。

調停委員は裁判官ではなく、一般市民の中から選ばれますが、その対象者は弁護士、医師、大学教授などの高度な知識を持った専門家や、会社の経営者や団体の理事など、地域に密着した活動をしてきた人などが中心となります。

また、実際の遺産分割調停の場で調停委員を立てる際は、男女各1名ずつを選ぶなど、親族間の問題であるこの案件に配慮した方法を取っています。

遺産分割調停はどのくらいの期間が必要か

さて、気になるのがその期間ですが、遺産分割調停が決着するまでの期間は平均すると「1年弱」、そして調停の回数の平均が「約6回」と言われています。

しかしこれはあくまでも平均なので、これよりも短い期間で話し合いが住んだり、もしくはもっと長い時間がかかる可能性もあります。
一応の目安とだけとらえておいてください。

なお、「開始から決着までかかった時間と、その全体に占める割合」はおおむね以下のようになっています。参考にしてみてください。

かかった審理期間と、その割合

  • 6か月以内に決着:30%強
  • 6か月~1年:30%強
  • 1年以上:30%

また、先ほど調停の回数の平均は約6回とご紹介しましたが、統計によれば11回以上かかるケースが全体の約11%、21回以上かかるケースも3%ほどあるとのことですので、これに関しても念のため押さえておいた方がよいでしょう。

調停の具体的な流れ

ここで具体的な調停の流れをみていきましょう。以下のようにまとめてみました。

相続人を決める

まずは戸籍謄本などを取り寄せて、相続人が誰であるかを確定させなければなりません

例えば、「過去に遺産の持ち主が離婚などをしていて、生き別れとなった子どもがいた場合」のように、親族が誰も知らない相続人がいる可能性も捨てきれないからです。また戸籍謄本は裁判所にも提出しなければならないので、必ずこの作業は行わなければなりません。

「財産目録」を提出

次に、どの程度の財産があるのかを調査します。
そしてその結果は「財産目録」としてまとめ、裁判所に提出します。

家庭裁判所に申立をする

遺産分割調停の申立書を作成し、戸籍謄本や財産目録とともに家庭裁判所に申立をします。しかしこの場合、どこの家庭裁判所でもよいわけではありません。

遺産分割調停を取り扱えるのは「亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所」です。この点に充分注意してください。

指定された調停日に出頭し、話し合いを開始する

申立が済むと、家庭裁判所から調停期日(調停を行い、話し合う日)が指定されます。
原則的には、相続人全員と裁判所が指定した調停員が同じ日に裁判所に集まり話し合いを進めます。その主な内容は「遺産の評価」「相続分や分割方法」「特別受益や寄与分の有無」など、遺産分割に関わる話題は全て話し合われることとなります。

話し合いがまとまれば調停成立

調停は「成立の見込みがある場合」において1か月おきに何度も開かれますが、話し合いに決着がついた時点でその調停は成立となります。逆に、話し合いが成立する見込みがないと判断されれば、そこで不成立となり、次の段階である「遺産分割審判」に移行します。

ちなみに、ここでの「成立」とは「相続人全員が納得する」ことを指しているので、誰か一人でも話し合いの内容に納得していない人がいれば調停は不成立となるので注意してください。

「遺産分割審判」とは?

調停が成立しなかった場合の次のステージである「遺産分割審判」は、裁判官が証拠を調べたり、申立人や相手方の事情を聞いたりしながら、遺産分割の方法について審判を言い渡す方法です。これは調停と違い、本人の出席は求められません。

審判の場合、調停の場で相手方と申立人が証拠や主張を出し尽くしている場合、30分程度で終わることもあります。
審判が確定すれば、裁判所の審判に基づく「審判書」が送られてきますが、これは判決と同等の効力があるので、従わない人がいれば強制執行をすることができるのが何よりの特徴です。

なお、この審判に納得がいかない場合、2週間以内であれば高等裁判所に即時抗告をすることができます。

この審判が決着するまでの期間は、調停期間を含めると70%近くのケースで1年以上かかり、中には3年を超える場合もあります。

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