不動産評価の「路線価」とは?画地調整を活用した節税も可能

相続の際に、宅地などの不動産を相続することがあります。
相続する不動産に、どれくらいの相続税がかかるのかを左右するのが「評価額」です。

この記事では、宅地を相続する際に重要になる路線価や、評価額に影響を与える画地調整について解説します。

宅地の評価のために使う「路線価」とは

路線価とは、国税庁が道路ごとに定めている価額です。
宅地の評価額を求める際には、「路線価 × 宅地の面積」という計算式を用いるため、宅地の評価額を調べる際には必要となる情報です。

宅地の評価額を調べる際にはまず、宅地に面する道路の路線価を調査します。
路線価は「路線価図」に掲載されており、税務署の窓口(平成20年分からはパソコン上でも閲覧可能)、または国税庁のホームページ(財産評価基準書|国税庁)でも公開されています。

一見すると路線価図は、建物の記載のない地図のようです。
道路上には丸で囲まれた数字や記号、アルファベットなどが記載されていて、道路上の数字は、その道路に面する宅地1平方メートルあたりの路線価を表しています。

単位は千円単位なので「250」と記載があれば、1平方メートルあたり25万円が路線価ということになります。

路線価の数字が丸で囲まれている場合は、普通商業・併用住宅地区であることを表します。数字が丸で囲まれていなければ、普通住宅地区ということになります。
※路線価は、郊外や地方の道路には設定されていません。路線価の設定されていない道路に面する宅地は、宅地面積に地域規定の倍率をかける「倍率方式」で評価することになります。

路線価の「画地調整」とは

路線価は、その道路に一方のみが面している標準的な奥行距離と間口距離の宅地を前提に設定されているものです。

しかし当然、宅地にも色々なパターンがあり、すべてが標準的な宅地ではありません。
標準的ではない宅地については、規定の路線価を調整して評価額を求めることとされています。

この調整を「画地調整」と呼びます。

画地調整には、おもに次のような調整項目があります。

奥行価格補正

奥行が長いもしくは短い宅地は、標準的な宅地に比べて利用価値が低いと見なされるため、評価が低くなります。
路線価に、その宅地の奥行距離に応じた奥行価格補正率をかけることで、1平方メートルあたりの価額を減額修正します。

「路線価×奥行価格補正率×宅地面積=評価額」

間口狭小補正

間口の狭い宅地も利用価値が低くなるため、奥行価格補正後の路線価に、間口距離に応じた間口狭小補正率をかけて減額修正されます。

「路線価×奥行価格補正率×間口狭小補正率×宅地面積=評価額」

奥行長大補正

奥行距離が間口距離の倍以上ある宅地は、奥行価格補正後の路線価に対し、一定の奥行長大補正率をかけて減額修正します。

「路線価×奥行価格補正率×奥行長大補正率×宅地面積=評価額」

がけ地補正

がけ地がある宅地は、がけ地がないとした場合の価額に、がけ地部分の割合に応じたがけ地補正率をかけて減額修正します。

「路線価×奥行価格補正率×がけ地補正率×宅地面積=評価額」


画地調整の減額対象になる宅地であれば、評価額を抑えて節税できることになります。
しかし画地調整で行われるのは、評価額の減額だけではありません。
以下のような、標準的な宅地よりも利用価値が高いと見なされる宅地は、評価額が増します。

側方路線影響加算

正面と側面に道路がある宅地(角地および準角地)は、一方だけ道路に面している宅地よりも利用価値が高いとされます。
次の2つの式で算出された価格の合計額が、1平方メートルあたりの評価額となります。

1. 正面路線価×奥行価格補正率
2. 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率
(1.2合計額)×宅地面積=評価額

なお正面路線とは、宅地に面する2つの道路のうち、奥行価格補正後の1平方メートルあたりの価額が高額な方の道路のことを表します。

二方路線影響加算

側方路線影響加算と同様、正面と裏面に道路がある宅地も評価額が増します。
次の式で計算されます。

1. 正面路線価×奥行価格補正率
2. 裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率
(1.2合計額)×宅地面積=評価額

宅地の不動産評価は、税理士の手腕に左右される

前述の画地調整をうまく使いこなせば、不動産の評価額は大きく引き下げられるケースもあります。
路線価についてよく理解しており、機転を利かせて臨機応変に画地調整を活用できる税理士ならば、評価額を最小に抑えることができるでしょう。

一方、路線価による不動産評価を不得意とする税理士だと、画地調整を正しく適用できず、本来よりもずっと高額な評価額にしてしまう可能性があります。
本来より評価額が高いということは、払わなくても良い相続税を払うことにもなってしまいます。

当窓口では不動産評価を得意とする税理士だけではなく、不動産鑑定士や関連士業がお客様の相続をトータルサポートいたします。
無料相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。