兄弟で遺産相続をする際に覚えておきたい5つの点

一人っ子でない限り、遺産相続で兄弟と遺産を分けあうことになります。
たいていの場合、立場も対等で最も近しい親族は兄弟です。しかし、兄弟であるがために生じやすいトラブルもあります。

この記事では、親の遺産を兄弟で相続する際に覚えておきたい点を5つ、ご紹介します。

兄弟で遺産相続する際の「法定相続分」

法定相続分は民法で定められているもので、相続財産のうち相続人が相続する財産の割合を表すものです。
法定相続分は、相続人の構成によって変わります。

兄弟で遺産相続する場合、被相続人の配偶者とその子どもである兄弟たち、というケースがよくあります。

兄弟を2人兄弟と仮定すると、各自の法定相続分は遺産全体の1/4です。
配偶者の法定相続分は遺産全体の1/2、子どもの法定相続分は遺産全体の1/2であり、子どもの法定相続分は子どもの人数で頭割りされるためです。
3人兄弟なら各自1/6、4人兄弟なら各自1/8が法定相続分となります。

被相続人の配偶者がすでに死亡、もしくは相続放棄した場合は、遺産全体を兄弟の人数で頭割りすることになります。
なお、兄弟の中に被相続人の非嫡出子や養子がいる場合、法律上それらの子も兄弟に変わりはないため、法定相続分も同等になります。

かつて、非嫡出子や養子は法定相続分を減らされていましたが、現在では法定相続分に差はありません。

兄弟で遺産相続する際の「遺産分割方法」

遺産分割では、被相続人の遺産を兄弟間で公平に分割する必要があります。

遺産分割の方法は次の4種類で、それぞれメリットやデメリットがあります。

1. 現物分割

個別分割」とも呼ばれる、とてもシンプルな遺産分割方法です。
相続人それぞれに、別々の種類の相続財産を割り振るというものです。

面倒な手続きが不要で遺産を失わずに済むことがメリットですが、相続分通りピッタリになるよう分割することは難しく、兄弟間で不満が生じる一因になり得ます。

2. 共有分割

ひとつの相続財産を複数の相続人で共有する遺産分割方法です。
不動産のように、遺産分割がしにくい遺産でも公平に分割でき、遺産を失わずに済むのがメリットといえます。

しかし単なる共有のため、財産としての利用価値はほとんどゼロとなります。また、二次相続の発生という点でも問題が残ります。

3. 換価分割

遺産を売却して金銭に換え、相続人全員へ公平に割り振るという遺産分割方法です。
売却さえできれば、どんな遺産でも公平な分割が可能が可能になります。
ただし遺産を手放す必要があること、売りたい時に売れない可能性があることがデメリットです。

4. 代償分割

不動産などを一部の相続人が相続する代わりに、その遺産を相続できない相続人に対して金銭を支払うという遺産分割方法です。
兄弟の中で親の事業を承継する人がいる場合は、その兄弟が事業用不動産や設備などを相続し、他の兄弟へ代償を支払うというパターンもよく見られます。

デメリットは、代償を支払う相続人に経済的余裕がなければ難しいことと、代償金が約束通りに支払われない場合もあることです。

兄弟で遺産相続する際の「遺産分割協議」

遺産分割協議は、遺産分割について相続人全員の参加と同意が必須です。兄弟の中に未成年者がいる場合や、兄弟の中に、病気や障害などで判断能力に限界のある人がいる場合も、代理人が必要です。

相続人全員の意見がまとまるまで、遺産分割協議は何回でも開催します。また、遺産分割協議はメールや電話で行うことも可能ですので、必ずしも全員が顔を揃えて行う必要はありません。

兄弟で遺産相続する際の「遺産分割協議書」

遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書に協議した内容を記録します。
遺産分割協議書には、相続人全員の署名と押印が必要です。兄弟とは言え代筆することはできませんから、必ず本人に署名押印をさせましょう。

兄弟で遺産相続する際に起こりがちな「相続トラブル」

兄弟はたいてい、小さい頃から一緒に育った親しい間柄です。
ただ、親しいが故にお互いに配慮することがないため、大きなトラブルを引き起こす要因になることもあります。

例えば、遺産の独占です。
自分は長男だから、親の事業を継ぐことになったのは自分だから、親の介護をしたのは自分だけだからなどの理由で、他の兄弟の相続分まで独り占めしようとする兄弟がいるかもしれません。

兄弟のうち誰かが「寄与分」を主張しても、他の兄弟はそれを認めないこともあります。
また、他の兄弟から見ると「特別受益」を受けたと思われている兄弟が、自分ではまったく自覚をしていない可能性もあります。

さらに、遺産分割で代償分割を選んだ場合は、相手が兄弟であるが故の甘えから、代償金の支払いを誠実に履行しないケースもあるため注意が必要です。

親に隠し子などがいれば、その子も自分の兄弟として遺産相続に参加することになりますが、場合によっては穏便に接することが難しいこともあるでしょう。

相続トラブルは専門家にすぐ相談を

兄弟は親しい関係ですが、遺産相続では利害関係が相反することが多いため、思いもよらぬトラブルを引き起こす可能性があることを、事前によく理解しておく必要があります。
相続における兄弟の行動に困ってしまい収拾がつかない場合には、なるべく早い段階で専門家に相談することが大事です。

当窓口では相続トラブル解決の実績を多く持つ弁護士のほか、税理士や不動産鑑定士等、相続のプロフェッショナルがお客様をトータルサポートいたします。
無料相談も行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。