いざというとき、そうならないために―遺産相続の際トラブルを起こす家族の特徴

相続の際のトラブルは後を絶ちませんが、トラブルを起こす家族には、ある特徴があります。

この記事では、相続トラブルを起こしやすい家庭の特徴と、それを回避するための方法について紹介していきます。
ここで挙げる事例を反面教師にして、円満な相続を目指してください。

相続トラブルを起こしやすい家族/具体例10選

相続でトラブルを起こしやすい家族のパターンを、具体例でご紹介していきたいと思います。

自分の相続について考えていない

これは被相続人の問題です。今まで相続について考える時間があったのに、それを先延ばしにしたせいで、自分の死後に家族や親族を巻き込んだトラブルを発生させてしまうのは、絶対に避けたいものです。死の間際に考えるのではなく、今すぐの行動が必要です。

親族間や、兄弟・姉妹の仲が疎遠になっている

現代、両親や兄弟・姉妹、親族がそれぞれバラバラに暮らしていることは珍しくありませんが、そのせいで話す機会が少なくなったり、コミュニケーションを取らなくなれば、お互いに何を考えているかが分からなくなります。

また、人間は年を経るにつれて価値観も変わっていくので、いざ話をしても考えがかみ合わず、相続の際にトラブルを引き起こすことがあります。離れて暮らしていたとしても、コミュニケーションは密に取り、相続についての考え方を共有しておくべきでしょう。

親族間、兄弟・姉妹の仲が悪い

2で挙げた内容に似ていますが、こちらの方が深刻です。
トラブルの際に、法律上の問題で口論になるならまだしも、単なる感情の対立が激化しただけのケンカになってしまい、誰も納得する結論が得られなかったというケースが間々あります。

兄弟・姉妹の中で、特定の人だけが親の介護をしている

兄弟・姉妹の中で、ある人にだけ介護の負担が集中しているということはよくあることです。

その理由には「親の土地に家を建て、親と同居したから」「長男だから」「兄弟・姉妹の中で自分だけが独身だったため、親を引き取るように説得された」など様々なものがありますが、この「介護を一身に引き受けた人」に、遺産が多く分配されることは非常にまれなため、介護に協力しなかった人との間に不公平感が生まれ、トラブルが発生することがあります。

「自分たちには財産などない」と思い込んでいる

「財産争いなどお金持ちの家で起こる事だ」と思い込んでいる人がいますが、一般家庭でも相続争いは起こります。

司法統計によれば、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割調停や審判は年間1万件ほどありますが、そのうちの75%は資産総額が5,000万円以下の家庭で、さらに1,000万円の資産額でも約30%の割合を占めています。

「この家には財産などない」といって何の対策も取らなければ、いざという時にトラブルに巻き込まれる可能性は充分あります。

再婚し、前の配偶者との間に子どもがいる場合

通常、現在の配偶者との間にできた子どもと、離婚した配偶者との間にできた子ども、二人とも実の子どもであることは確かなので、互いに相続の権利は持っていますが、彼らが交流することはとてもまれなことです。

お互い会ったことがない者同士の遺産分割はトラブルを起こす可能性が非常に高く、さらに、前の配偶者との子どもが「自分を捨てた」などと被相続人に恨みを抱いていた場合、問題はより深刻なものとなります。

遺産のほとんどが不動産である場合
不動産は分けづらく、場合によっては換金できないこともある財産ですので、相続人同士の話し合いがまとまらないこともよく起こります。

推定相続人が、自分の兄弟・姉妹である場合

推定相続人とは、「自身が亡くなった場合に相続人となる人」を指しますが、配偶者や子どももおらず、両親もすでに亡くなっている場合、相続の対象となるのは兄弟・姉妹です。

しかし彼らも亡くなっており、その子ども(被相続人からみて甥・姪)に相続しなければならなくなった時、甥や姪と元からの交流がなければ、当事者意識の薄さから手続きについてあまり協力を望めないケースがあります。

推定相続人に認知症者・行方不明者などがいる場合

推定相続人に認知症者や行方不明者がいた場合、そのままでは遺産分割協議を行うことができませんので、「成年後見制度」や「不在者財産管理人制度」を利用する必要があります。

この制度の利用は非常に時間がかかり、その間は相続財産の処分を行えませんので、相続人にとっては大きな負担となります。

トラブルは弁護士に丸投げすればよいと考えている

確かに法的な問題は弁護士に任せなければなりませんが、すべてを丸投げするのもトラブルの元です。

相続で起こるトラブルは、法的な問題だけでなく、相続人同士の感情の問題に原因の大部分があります。ここをないがしろにしては、真のトラブル解決とはいえません。

トラブル回避のために行うべき事3選

トラブルになりやすい家族のタイプについては、なんとなくイメージできましたでしょうか。それでは次に、トラブルを回避するためにすべきことについて解説していきます。

家族でしっかり話し合う

「相続」は死後の話なので、生きているうちにするのは縁起でもないという方もいらっしゃるかも知れませんが、死は誰にでも平等に、そして突然訪れますし、死後に初めて相続の話を始めればトラブルを招くことになるというのは、これまでお話しした通りです。

そのような不毛なトラブルを防ぐためにも、生前から相続について話し合い、真の気持ちを聴きあうことが大切です。

遺言を作成する

遺言を作成することはオーソドックスですが、非常に有効な相続対策の一つです。相続は「被相続人の自由な意思」が優先されるからです。しかし、その内容は偏りのない公平なものである必要がありますし、法で定める形式に則っていなければなりません。

家族信託を利用する

家族信託は、遺言では実現できない遺産の継承方法が可能なため、現在注目されている新しい制度です。選択肢の一つに入れておくとよいでしょう。

話がまとまらなければ、早めに弁護士や専門家に依頼する

もちろん先ほどもお話しした通り、相続は「感情」が大きなウエイトを占める問題ですので、それをないがしろにして話を進めることはトラブルの原因です。

しかし、どれだけ話し合っても結論が出なければ、そこからは法律の出番です。
できるだけ問題の火種が小さいうちに、弁護士から「小まめなアドバイス」をもらうことが、相続を最大限円満に進める秘訣と言えるでしょう。

当窓口では弁護士はもちろん、相続に関するプロ士業があなたの相続トラブル解決のため徹底サポートいたします。
トラブルが起きた、起きそうという場合や、相続について何か気になることがあればお気軽にご相談ください。